『影響力の武器』
人はどうして不可解な誘導・勧誘に影響されてしまうのか?
チャルディーニ『影響力の武器』は、その格好のテキストです。何より面白いのは、チャルディーニが体を張って参与観察に及び、セールスマンやら募金活動やら宗教団体やらに入り込む過程の叙述だったりもしますが、要は、人間には、ある種のリアクション・パターンがあると。それは刷り込まれているものなので、理性を超えたりします。
例えば、以下のように・・・。
①返報性:
どんなモノであれ人はモノを受け取ると恩を感じる。「お返しをしなくては」と思う。そこで一部の団体等が「無料で贈呈いたします」等と言うのは実は結構効果がある、と。
②コミットメントと一貫性:
人のコミットメントまたは一貫性に付け込んで、その特性を利用する。
③付和雷同:
これは日本人にはお馴染みのパターンですね。
④権威:
オーソリティーがGOを出すと、理性に逆らってまでもしてしまう…怖い怖い。
⑤好意:
友情や仲間意識に付け込む訳ですね。
⑤希少性:
「あと残り一つです!」「他の希望者がおりまして・・・」・・・で、実際よりも価値が高く見える。
余りにえげつないのはどうかと思うのですが、読後、人間不信に陥りかねない感もありますね。ただ、人間社会は程度の差こそあれ、こうした要素で成り立っていたりもするので…。知っていて損はないどころか、有益です。
多少高いと思われるかと思いますが(社会心理学の教科書なので)、その価値は充分にあります!
T.D.
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コメント
Well done!
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投稿: Rex | 2007年2月13日 (火) 07時12分