『オシムの言葉』
必読書と言っても良い書籍。それが、『オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える』(集英社インターナショナル刊)です。現在、幸運にもジェフ千葉の監督を務めるイビツァ・オシム・元旧ユーゴスラヴィア代表監督は、ユーモア、ウィット、そしてアフォリズムを駆使しながら、確かなものを表現する数々の金言が「オシム語録」の名を冠せられています。本書では、旧ユーゴスラヴィアのサッカー事情を追い続けた木村元彦氏が、そのオシム監督の発する言葉とその背景にあるものに迫った好著です。
ユーゴスラヴィア紛争の悲劇、エスノセントリズム渦巻く旧ユーゴで彼が見た悲愴が、深い言辞となって今、オシム語録として語られていることに襟を正さずにはいられない思いがします。「フィールドの向こうに人生が見える」と言う副題は決して、大袈裟なものではないのです。勿論、ジェフでの彼のコーチング振りに関する記述にも注目です。
言葉を的確に、しかもある種のユーモアを湛えながら比喩も含めて表現できると言うことは、コトの本質を的確に把握しているからこそできる業に他なりません。得がたい指導者を得たオシム・チルドレンの今後の成長にも期待を持って見守りたいと思っています。
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» 『オシムの言葉』 [ミューズとソフィア]
京都市内も一面の銀世界に この冬一番の冷え込み 【京都新聞】
仕事が休みだったので、いつもよりはゆっくり寝ていたのですが、
それでも随分寒いなぁ、思うて窓を開けたら雪が降ってました。
寒い上に日曜は観光客が多いので渡月橋まで行くことはしなかったのですが、
(嵯峨野に住んでいて阪急利用なので、通勤の時には必ず渡月橋を通る)
もし行ってたら写真のような風景が見られたのでしょうね。
さて、↓巻クンも買ったようでした。
もう全部読んだのかしら?
オシムの言葉―フィールドの... [続きを読む]
受信: 2006年3月23日 (木) 23時12分
» (今年の一冊)『オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える』 木村元彦著 [Kozmic Blues by TM]
読んだ後、ジェフのスタジアムDJガマちゃんじゃないけど「あなたに会えて本当によかった!」と心から思ってしまいました。とにかく、彼のサッカーをリアルタイムで経験出来たことを幸福に思いました。(もちろんこれからもオシムサッカーを追っかけていきます。)
著者は、木村元彦さん、ユーゴについての著作を何冊も書かれている方です。最近でも『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』という本を出していて、旧ユーゴスラビアの内戦の惨状を極めて客観的に記しています。東欧関係(...... [続きを読む]
受信: 2006年3月23日 (木) 23時28分
» オシムの言葉 [Remember Tomorrow]
国が無くなるってどういう事であろうか。ベルリンの壁が壊されてから、無くなってしまった国々。東ドイツ、ソ連、そしてユーゴスラビア。サッカーのユーゴスラビア代表の最後の監督にして現J1ジェフ千葉監督のイビツァ・オシムの半生と千葉をナビスコカップ優勝へ導...... [続きを読む]
受信: 2006年3月24日 (金) 00時34分
» オシムとの残された時間 [サッカーの言葉 オオウチコム]
「作り上げること、つまり攻めることは難しい。でもね、作り上げることのほうがいい人... [続きを読む]
受信: 2006年3月24日 (金) 06時01分
» オシムの言葉 [りょーの日記]
普段はまったく読書をしないオレですが
久しぶりにを読んでみました
オシムの言葉
JリーグJEFUNITED千葉の監督をしている
世界的な名将Ivica Osimを語った本です
オレは彼のことが好きなんですよ
現在のJリーグで最も魅力的なサッカーを展開するJEF
彼が日本...... [続きを読む]
受信: 2006年3月24日 (金) 11時15分
» 「オシムの言葉」 [From HIGHLAND]
本書は「オシムの言葉」というタイトルだけど実際は発せられる言葉の背景を取材してストーリーに構築したもの。旧ユーゴ内戦・分裂の中での奮闘やジェフでの指導(これも奮闘かも)などなどたくさんいい話があるので読んでいただきたい。... [続きを読む]
受信: 2006年3月24日 (金) 11時49分
» 「オシムの言葉」読みました [ゆうのfootball系チラ裏]
ずっと読もうと思って、買っておいたのですが、やっと週末に読むことができました。
この本を読むと、なぜオシムがあそこまで慕われ、世界中からオファーがくるのがよくわかりました。また、先を読む力、指導力などが数学博士になるほどの才能から来ているようで、すごく頭がいい人なんだなと思いました。
また、旧ユーゴの内戦を代表監督して体験しており、家族とも離ればなれになったこともあったり、通訳にだまされた経験などから、記者に対してユーモアたっぷりの内容で話したり、ジョークで煙をまいているということもわかり、今後オ... [続きを読む]
受信: 2006年3月24日 (金) 20時29分
» オシムの言葉 [PLANET−SURF1973]
オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える
あっという間に読んでしまった。ここ数年読んだスポーツノンフィクションの中でもベスト3に入ると思う。著者はユーゴスラビアをはじめ、バルカン半島に関しての著作をいくつか出されている木村元彦氏。この本は木村氏で....... [続きを読む]
受信: 2006年3月25日 (土) 22時14分
» オシムの言葉 [何でも見てやろう]
購入してから1ヵ月かけて,ようやく読み終えました。 読書の時間は毎日寝る前の数分間,数ページ読んだところでそのまま寝てしまうため,遅々として進まなかったのですが,ここ数日間は自宅に引きこもり状態だったので,一気に読破しました。 さて,昨年のナビス..... [続きを読む]
受信: 2006年4月 8日 (土) 21時41分
» 【日曜日の一冊】こんな本を読んだ。(木村元彦) [Hitparade BLOG]
●オシムの言葉 サラエボ出身のイビツァ・オシム。 Jリーグ、ジェフ市原・千葉の監督に就任し、走ることを惜しまない攻撃サッカーを根付かせファンを魅了してきた。 若い選手に対する厳しさと優しさ。 会見の度にウイットとユーモアに富んだ発言をし、我々に様々なことを..... [続きを読む]
受信: 2006年4月10日 (月) 21時34分
» ポスト・ジーコはオシムでいこう! [サンチャイ・ブログ]
木村元彦著『オシムの言葉』 2005年12月、集英社
内容(「BOOK」データベースより)Jリーグ屈指の美しい攻撃サッカーはいかにして生まれたのか。ジェフ千葉を支えた名将が、秀抜な語録と激動の半生から日本人に伝えるメッセージ。
先ずはジーコ・ジャパン最終メンバー23名選出。選ばれた人、おめでとうございます。選ばれなかった人、コンディションの問題があった人もいたみたいだけど、ジーコの戦術観による適材適所だと思... [続きを読む]
受信: 2006年5月15日 (月) 23時32分
» オシムとの残された時間 [サッカーの言葉]
「作り上げること、つまり攻めることは難しい。でもね、作り上げることのほうがいい人生でしょう。そう思いませんか?」
サッカーダイジェスト No.783 2005年5月24日 イビチャ オシム「攻めの美学その真髄」
オシムの言葉(フィールドの向こうに人生が見える) 著者:木村元彦 出版社:集英社インターナショナル /集英社
オシムは遠目にもよく目立つ。
ジェフ千葉の開幕戦 大宮アルディージャのホ... [続きを読む]
受信: 2007年4月27日 (金) 18時37分
コメント
ちわっす!ごぶさたしてますた!
読みましたか、オシムの言葉
木村元彦さんには、ピクシー関連の2冊でもお世話になったけど
これでユーゴ3部作完結といったカンジかも
この本、ほんとにすばらしかった
ユーゴでのルポも毎度のがんばりに頭が下がるけど、
佐藤勇人の生まれ変わるエピソードに思わずふるえがきました
激動の半生を過ごしてきたオシムの、すばらしいひととの接し方
ほんとうに尊敬に値する人物です
投稿: AMNESIac7 | 2006年3月23日 (木) 21時49分
あむさん、お久しぶりです!
あむさんのブログ、そろそろ画像容量制限とかきつくなってきたでしょ(笑)。楽しみに読んでますよ。
それにしても、オシムは凄いですね。ユーゴをめぐる悲劇は木村さんの独壇場状態だけど、この監督は他に比較できる人がいないくらいの存在で・・・勇人のエピソードも良かったですね。素晴らしいの一言です。
T.D.
投稿: tropical_dandy | 2006年3月23日 (木) 22時11分
はじめまして。
私のブログへのTBありがとうございました。
『オシムの言葉』
‘サッカー’との関連付けなしでも
広く読まれてほしい本ですよね。
投稿: J.D. | 2006年3月23日 (木) 23時24分
♪Ю-(゚ー゚*)オジャマシマース
ウチのブログへのTBありがとうございました(o*。_。)oペコッ
いい本ですし多くの人に読んでもらいたいですね♪
投稿: りょー | 2006年3月23日 (木) 23時31分
TBありがとうございました。
ジェフが今ひとつ調子に乗れないのが気になります^^;
投稿: ti14 | 2006年3月24日 (金) 11時51分
トラックバックありがとうございました。
サッカーに興味がない人にも読んでほしいですよね。
投稿: msa-004k | 2006年3月24日 (金) 17時20分
はじめまして♪
この本はオシムの素晴らしさだけに留まらず、いろんなことを考えさせられるいい本ですね。
投稿: ガッちゃん | 2006年3月24日 (金) 18時02分
こんにちは♪先日は、TB有難うございました!「オシムの言葉」私も読み、本当にオシム監督ってすごい人だなと思いました。自分は浦和レッズが好きなので、他のチーム監督の本を読むのはどうかと思っていた自分が恥ずかしくなりましたよ(笑)この本に出会ってよかった、そして多くの人に読んでもらいたいと心から思います。
投稿: arieru | 2006年3月24日 (金) 18時09分
J.D.さん、りょーさん、ti14さん、msa-004kさん、
ガッちゃんさん、arieruさん、
コメントどうも有難うございました。(レスポンス遅れて申し訳ありません。)確かに、皆さん言われるとおり、サッカー関係者以外にも読まれるべき本だと思います。私もジェフから目が離せなくなりました・・・。
T.D.
投稿: tropical_dandy | 2006年4月 1日 (土) 06時36分
はじめまして。トラックバックありがとうございました。
オシムが語る言葉はユーモアの中に含蓄のあるものであり,多くの人々に読んでほしいと思っています。
投稿: なおなお | 2006年4月 8日 (土) 22時11分
なおなおさん、コメント有難うございます。
確かに深い含意に富んだ言葉をつむぐことのできる人ですね。
私としても、多くの人に読んでもらえることを希望している一冊です。
T.D.
投稿: tropical_dandy | 2006年4月 9日 (日) 11時32分
初めまして! トラックバックありがとうございました。
皆さんが仰っているとおり、この本はサッカーファンのみならず多くの人に読んでもらいたいと思いました。
オシムの人格的な素晴らしさの所以を知るとともに、旧ユーゴスラビアで何があったのかを知る上でも貴重な本だったと思います。
投稿: 悠姫 | 2006年4月11日 (火) 16時29分
悠姫さん、そうですね、旧ユーゴ情勢に関しても、木村元彦氏の書籍は安心してお勧めできると思います。
T.D.
投稿: tropical_dandy | 2006年4月11日 (火) 16時48分