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2005年11月21日 (月)

TBS・楽天騒動に興味が持てない理由

これは、楽天という企業、その経営者に関心が持てないということもあるのですが、偶々世間の耳目を集めている所謂IT企業が、技術オリエンテッドの会社ではないことにあります。それは、「先輩格」のソフトバンク・孫正義さんの数々のキャッチーなフレーズに代表されるビジネスモデル志向です。曰く「タイムマシン経営」(既存のand/or海外の先行企業のモデルを拝借する)、曰く「ネット財閥」(M&Aその他でサーヴィスのラインナップを揃える)。

IT企業の株価にはその将来性に対する期待感からプレミアムが乗っていますから、次々に企業買収を繰り返せば、本業では不振でも時価総額をもって成長を主張することはできます。言うは簡単、でもこれで10年余凌いでいる孫正義さんは、端倪すべからざる経営者だと思わずにはいられません。問題は、その産業自体が成熟期を迎えた時に一気にバブルが崩壊することなのですが、勝負できる時間は短いのだから、打てる時に手を打っておけ、と言う三木谷さんのTBS経営統合構想も発想としては分からなくはない。

ただ、楽天にしてもライブドアにしても、サーヴィスが特段、イノヴェーティヴである訳ではない。Web2.0的じゃないんです(苦笑)。IT企業でありながら、です。GoogleAppleなどのブルーチップ・IT企業と比較しても仕方ないかもしれませんが、それにしても、彼らの提供するサーヴィスからは未来志向を感じない。ひょっとしたら、三木谷さんはTBSの財務体質の改善を手際良くやってのけるかもしれません。ただ、真に革新的なサーヴィス-テッド・ターナーCNNを生み出したように、です-を打ち出せるのか否かは(経営統合が上手く行けばの話ですが)未知数です。

それよりも、未来を作れる企業に投資をするならしたいと思う今日この頃です。ライブドアにしても楽天にしても、プロ野球球団なり、TV局なり、既存のエスタブリッシュメントの一角に喰い込もうと汲々としているこの一年と言う印象です。まあ、その会社の経営戦略の話なので、これ以上は特にありませんが、出でよ世界が活目する日本のIT企業、という感じです。

T.D.

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コメント

T.D. さん、こんばんは。

> ただ、楽天にしてもライブドアにしても、サーヴィスが特段、イノヴェーティヴである訳ではない。Web2.0的じゃないんです(苦笑)。

堀江氏に関していうと「確信犯」でしょう。彼は先進的な技術を追い求めるよりはホームページ製作などの地味な仕事をやりまくることで経営をスタートした人ですから。堀江氏自身が著書で先端は志向しないと明確に書いています。以前私が書いた「弱い相手と戦って勝つ」ということの意味がこれです。

三木谷氏に関していうと「インターネット・モールは成功しない」という ”常識” をくつがえした人ですから、結構「イノヴェーティヴ」ではないかと私は考えています。その後は先端を志向していないようですが、私の性格ではそれほど気になりません(笑)。

> ライブドアにしても楽天にしても、プロ野球球団なり、TV局なり、既存のエスタブリッシュメントの一角に喰い込もうと汲々としているこの一年と言う印象です。

たしかに「既存のエスタブリッシュメントの一角に喰い込」んで終わりとなりそうですね。堀江氏にしても三木谷氏にしても案外早く「大人」になってしまうのかもしれません。そうなったらちょっと淋しい気もしますが・・・。

投稿: 喜八 | 2005年11月21日 (月) 21時51分

喜八さん、コメント有難うございます。

ライブドアに関しては、私は一オーディエンスとしては結構面白がっていますよ。livedoorポータルのトップページはYahoo!のそれにそっくりですし、ライブドアのSNS「ライブドアフレンドパーク」の管理画面はmixiのそれと酷似しています。

独自性なんか要らないという姿勢は、あそこまでやってくれると却って清清しいくらいです。(皮肉ではありません。)喜八さんの言われるとおり、確信犯です。ただ、これらのサーヴィスで「負け戦はしない」結果となっているかどうかは、かなり微妙なものがありまして、この部分では、申し訳ありませんが、依然として喜八さんと意見を異にする部分です。(金融には強いが本業が弱い、と言う風評は確かなようですので。)

ただ、楽天にせよライブドアにせよ、それは個別企業の戦略の問題であって、それが技術オリエンテッドな事柄ではないという意味において、TBS・楽天問題は、私の大きな関心事項ではないというのがこのエントリーの趣旨です。

それがIT企業の代表であるかのように採り上げられるのは、そしてそれを根拠にIT企業批判めいたことが日経新聞の紙面を飾ったりするのは少し違うのではないかと思います。

IT企業であるからには、その技術力、それが生み出すユーザーにとっての未来が問題にされるべきと考えます。現状はお寒いと思います。特にUS他との比較の上で。私も愛国者なんでしょうか(笑)。

T.D.

投稿: tropical_dandy | 2005年11月21日 (月) 22時27分

T.D. さん、こんにちは~。

> 金融には強いが本業が弱い、と言う風評は確かなようですので。

堀江氏の目指しているのは金融コングロマリットでしょう。そのためにインターネットや既存メディアを利用してゆくと本人もはっきり発言しています。また現在の資本主義では金融がもっとも効率のよいビジネスと見なされてもいますから、ある意味では彼の手法は定跡通りなのかもしれません。つまりライブドアの「本業」は金融であるといったほうが正解なのではないかと思います。

> それがIT企業の代表であるかのように採り上げられるのは、そしてそれを根拠にIT企業批判めいたことが日経新聞の紙面を飾ったりするのは少し違うのではないかと思います。

メディアが誤解しているのか? はたまた堀江・三木谷側が意図的にミスリーディングしているのか? どちらなのでしょうね(笑)。以前私のブログでコメントしましたが、彼らのいう「ITと既存メディアの融合」に関しては「話半分」くらいに聞いています。本音の部分では積もり積もった内部留保が主目的だろうと思っています

投稿: 喜八 | 2005年11月22日 (火) 13時09分

喜八さん、こんばんはー。

>> それがIT企業の代表であるかのように採り上げられるのは、そしてそれを根拠にIT企業批判めいたことが日経新聞の紙面を飾ったりするのは少し違うのではないかと思います。
>メディアが誤解しているのか? はたまた堀江・三木谷側が意図的にミスリーディングしているのか?どちらなのでしょうね(笑)。

昨日のコメントを正確に書きますと、「事業規模(時価総額)」と言う点でそれらの企業が「IT列強」であるのは確かだが、技術革新志向ではない点で「IT企業代表」としての採り上げ方をするのは如何なものか、という趣旨でした。(長々済みません。)その上で、私が思いますに、新聞と言う情報産業も商売であることには変わりなく、この件も購読者のレヴェルに合わせて書いていると思います。「朝日中学生新聞」が中学生のレヴェルに合わせているのと同じ構図です。「読者がそのような論説を求めるから」そのような論説が書かれている、そういう構図ではないかと思慮します...。

>彼らのいう「ITと既存メディアの融合」に関しては「話半分」くらいに聞いています。本音の部分では積もり積もった内部留保が主目的だろうと思っています

私は、実は、今回の三木谷さんは(あくまで興味はないのですが)、かなり本気ではないかと思うようになりました。 収益の柱だったeコマース事業は、ネット売買が常態化したことで決済インフラの信用性も「楽天」ブランドに依存する必要がなくなり、Google主体ad打ちすれば単独でネット店舗を運営する状況も整い…新規に「楽天市場」を利用するメリットは大幅に減じています。では、まだブランド力とキャッシュに余力のある今の内にどこに投資するのが良いか?その答えが「コンテンツ」だったと推察しています。

TBSを「売れるコンテン ツとその制作力を持つクリエイターの集まり」と見立てる三木谷さんの発言は本音に近いのではないかと思います。結局のところ、ネットで商売をする以上、コンテンツホルダーは強いですから。ともあれ、楽天は、築き上げたブランドと資金を、コンテンツに投入する意思決定をしたのかな、と。

TBSについて、端的に「含み益を大量に含んだ不動産の塊」と語る村上氏との違いはこの辺りかなと思っています。

T.D.

投稿: tropical__dandy | 2005年11月22日 (火) 21時49分

確かに楽天三木谷氏は、銀行員であったところにルーツがありそうですね。もともと目指すところが、テクノロジーではなく、売り上げであったということは、エンジニアというよりも商人の向きが強いのだと思いました。

投稿: カリビアン | 2006年8月25日 (金) 15時06分

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