佐藤優『国家の罠』
『国家の罠』(佐藤優著・新潮社)。これがもう、呆れる程、面白く、かつ、深い本でした。今年読んだ中では文句なしのNo.1(現時点)です。![]()
鈴木宗男氏の起訴を巡って言わば「露払い役」として起訴された「外務省のラスプーチン」こと佐藤優氏(当該事案では現在控訴中)が綴った担当検事・西村氏とのやりとりが、秀逸です。仕事の移動中に目を通していたのですが、とてつもなく面白い本だと分かり、オフだった昨日の夜半から一気に読んでしまいました。
「時代のけじめ」としての「国策捜査」がある-と言うくだりは圧倒的。読ませます。また日本社会を巡る大局観も的確と思えました。外務省は優秀な情報分析官を失いましたね。ただ、良かれ悪しかれ、また大きな仕事をする人なのではないかと思わせるに充分な筆致、深層心理の襞まで抉る描写力…読者にとっては「堪らない一冊」です。
佐藤氏の大局観が的確と思えたのは、私なりに要約しますと、以下の部分です:
(1)90年代からの新自由主義政策の影響で「勝ち組・負け組」の二極分化が進んでいる
(2)ユーラシア・北東アジアとの外交関係がキーとなるが、日本及び周辺諸国のナショナリズムが勃興している
(3)国家が強権を発動し、ポピュリズムに世論が靡くのは、国力の低下を示す兆候である
ゆえに、
(4)日本及び周辺諸国の指導者の賢明な(プラス・サムの判断が)求められている
これには大いに同意します。今の時代状況の見取り図としても充分でしょう。「健全な懐疑派」を自認する私としては、どうすべきか、自分の問題として、思索を重ねたいと思います。しかし、ある種の賽は既に投げられているかもしれないと危惧します。
T.D.
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先日(09-21)佐藤優さんの講演会に行ってきました。
佐藤優さんは同志社大学大学院神学研究科修了後、1986年に外務省入省、三等書記官を経て国際情報局分析第一課主任分析官(現在休職中)。衆議院議員鈴木宗男さん関連の事件で2002年5月背任容疑で逮捕され512日にわたり起訴拘留。2005年...... [続きを読む]
受信: 2005年9月24日 (土) 19時58分
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「国家の罠」という本を買った。鈴木宗男事件のときに逮捕された、佐藤優という元外交官の内幕手記である。小林よしのりと西部邁の「本日の雑談」の最新刊で触れていて興味がわいたので購入。なるほど、鈴木宗男や、ラスプーチンと呼ばれた佐藤氏に対する従来のイメージは....... [続きを読む]
受信: 2005年9月30日 (金) 16時12分
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受信: 2005年9月30日 (金) 20時45分
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最近出会った本の中でイチオシの書。それがこの“国家の罠”です。
“正義”とは、本来、相対的なものであるはず。
典型的なものが国際問題。イスラエルの正義は、パレスチナにとっての悪となる。だからこそ迂闊に他の国々は干渉できないし、すべきではない。
それは、他の中東諸国やアジアといった日常茶飯事のように新聞紙上を賑わせている国々のみならず、世界中どこの国でも同じことがいえます。
ところが、国際関係という点に絞ってみれば、日本は、そうではなかった。
第二次世界大戦の敗戦から1990年代... [続きを読む]
受信: 2005年9月30日 (金) 21時19分
» 真の愛国者とは。「国家の罠」から [ニュースの現場で考えること]
佐藤優氏の著作「国家の罠」(新潮社)を一気読みした。最近では稀な、実に凄みのある一冊。名著だと思う。
佐藤氏は鈴木宗男元衆院議員の側近だった外務省職員であり、鈴木氏のスキャンダルに絡んで刑事被告人となった人物である。私も東京勤務時代に一時外務省を担当し、佐藤氏とも若干の交流がった。(過去のエントリ 「北方領土が遠くなる」 参照)
この本を読むと、1999年から2000年代前半にかけて、日本は大きくカジを切ったことが分かる。「戦後日本の総決算」は中曽根内閣のキャッチフレーズだったが、中曽根... [続きを読む]
受信: 2005年9月30日 (金) 21時23分
» 「国家の罠」 [世間知らず]
本日は本の紹介です。
大丸のbooks&cafeで一気読みしてきました。
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて新潮社このアイテムの詳細を見る
マスコミが報じたものは物事をある一面から見たものに過ぎません。ちがう一面から見ると、違う言葉、表現、文章となります。同じ物事にもかかわらず、印象はこんなに変わってしまうのかと思います。
世の中を動かした人の言葉は、読みごたえがあります。
鈴木宗男さんが時の人と�... [続きを読む]
受信: 2005年9月30日 (金) 21時26分
» 『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』 佐藤 優 (著) [カツユキ帝国]
今日は古くから親しくさせていただいている方々といっぱい飲んだわけですが、まあいろいろな話をしながら、ふと思ったことには、おつきあいのむずかしさです。国と国でいうところの外交というやつですね。
先日月刊誌「正論」をひさびさに読んだのですが、外務省の佐藤優....... [続きを読む]
受信: 2005年10月 1日 (土) 01時42分
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国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて。
「巨悪を眠らせない」のキャッチフレーズで知られる東京地検を代表とする特捜部幻想はマスコミの世界にもあります。地方紙の記者は、あまり検察庁を熱心に回らない傾向にありますが、私は当時の幹部と不思議と気が会い、大事...... [続きを読む]
受信: 2005年10月 2日 (日) 10時45分
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受信: 2005年10月 5日 (水) 09時21分
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受信: 2005年10月 9日 (日) 22時08分
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平日の勤務が終わった夜、図書館職場の組合員との話し合いに参加しました。各職場特 [続きを読む]
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佐藤優著「国家の罠」を読んだ。鈴木宗男を魔王の如く思っていた
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そして「国策捜査」の恐ろしさを知った。
「時代のけじめ」としてターゲットに挙げられ、罪を作られていく。
逃げようにも逃げられない。国を挙げて、悪者に仕立て上... [続きを読む]
受信: 2005年10月12日 (水) 22時52分
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・被告が実刑になるような事件はよい国策捜査じゃないんだよ。うまく
執行猶予をつけなくてはならない。国策捜査は、逮捕がいちばん大きい
ニュースで、初公判はそこそこ...... [続きを読む]
受信: 2005年10月15日 (土) 11時59分
» 第59回毎日出版文化賞決まる [及川的大人のブログ]
第59回毎日出版文化賞(毎日新聞社主催)が
以下の通り決まりました。
<文学・芸術部門>
「半島を出よ」上・下 村上龍著 幻冬舎
<人文・社会部門>
「評伝 北一輝」全5巻 松本健一著 岩波書店
<自然科学部門>
「環境リスク学」 中...... [続きを読む]
受信: 2005年11月 8日 (火) 17時46分
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西村眞悟衆院議員が弁護士法違反で逮捕されたことについて、blog上には陰謀(謀略、国策)説が相当あるようで、昔なら地検特捜部様が汚職国会議員を逮捕したら拍手喝 [続きを読む]
受信: 2005年12月 1日 (木) 01時37分

コメント
T.D. さん、こんばんは。
実は昨日(09-21)JR東京駅近くの八重洲ブックセンター8Fギャラリーで佐藤優さんの講演を聞いてきました。
これに関しては近いうちにブログ記事もアップする予定です。
当然、『国家の罠』は読んでいます。大変に興味深い本でした。結構前に読んだのですが、まだそれも記事にはしていません。
佐藤優さんは非常に興味深い方ですね。ある意味では「危険な人」だとも思いますが・・・。
投稿 喜八 | 2005年9月22日 (木) 21時18分
>「時代のけじめ」としての「国策捜査」がある
話半分で聞きながら、自分でよくよく考える、よい機会になりそうな本ですね。
投稿 takeyan | 2005年9月23日 (金) 00時51分
tropical_dandyさんのエントリを見て、思わず今日買ってしまいました。
読んでみますう。
投稿 shooting_stars | 2005年9月23日 (金) 18時09分
皆様、コメント有難うございます。
喜八さん>
佐藤さんの講演を聴かれたんですね!それは喜八さんの記事、楽しみにしております!ある意味で「危険な人」であると言う点、同感です。
takeyanさん>
そう思います。話半分ではあるのですが、よくよく問題を考える、契機となる一冊だと思っています。
shooting_starsさん>
それは是非ご堪能下さい。感想などお聞かせ頂ければ嬉しく思います。
T.D.
投稿 tropical__dandy | 2005年9月24日 (土) 15時38分
T.D. さん、こんばんは~。
トラックバックを送らせていただきました。
> ある意味で「危険な人」であると言う点、同感です。
私のような素ッ堅気がウカツに近づくと大火傷しそうです・・・。(^_^;)
投稿 喜八 | 2005年9月24日 (土) 20時00分
喜八さん、こんばんはー。
トラックバック有難うございます。いえ、なかなか興味深い講演だったようですね。続きの記事、楽しみにしております。何かコメントさせて頂こうかな、とも思っております。
T.D.
投稿 tropical_dandy | 2005年9月25日 (日) 16時58分
トラックバック、ありがとうございました。
佐藤優さんの大局観は本当にうならせるものがあります。
いわば白いファシズムへのアラームを鳴らしているような、、、。
投稿 炎氷いずみ | 2005年9月30日 (金) 20時50分
炎氷いずみさん、コメント有難うございます。
佐藤さんの大局観は圧倒的ですね。まさに「白いファシズム」に対する警鐘としての時代の要請なのかな、と思ったりもします。今後とも宜しくお願い致します。
T.D.
投稿 tropical_dandy | 2005年9月30日 (金) 21時27分
こんにちは。初めまして。TBありがとうございました。
時事問題に関するエントリが私にもわかりやすく書いてらっしゃるので、移行なさる前から
ちょくちょく拝見していたので、ビックリしました。。
この本、凄まじい迫力でした。
マスコミの報道だけではわからないことって
たくさんあるんだなあと思った本でした。
検事の「運が悪かったんだ」のひとことが印象的でした。
投稿 はな | 2005年10月 2日 (日) 23時38分
はなさん、レスポンス遅れまして済みません…。
思いますに、マスコミの情報も恣意的に成らざるを得ないのでしょうし、『国家の罠』の事案に関して言えば、現在も訴訟継続中の事項であることを考えれば、佐藤氏が語っていることは、佐藤氏なりのフィルタリングを経た情報と言うことになるかと思います。
それにしても…「外務省のラスプーチン」と言うネガティヴ・キャンペーンの枠に納まらない才人だと感じます。マスコミ報道とそれによってもたらされるムードに、ちょっと危機感を感じています。
T.D.
投稿 tropical_dandy | 2005年10月 7日 (金) 19時45分
はじめまして。TBありがとうございました。
次の著作(国家の自縛)も出版されたようですね。私もまだ見てはいないのですが。
投稿 slummy | 2005年10月12日 (水) 09時53分
TBありがとうございました。
「国家の罠」、私も夢中で読みました。
読む前と読んだあとでは世界が違って見えるような、そんな本でした。
色々な人に読んでもらいたい一冊ですよね。
投稿 びたき | 2005年10月12日 (水) 23時16分
わたしも「国家の罠」を遅ればせながら読みました。かなり読み応えがあり、教えられることも多く、国際政治・行政・司法を理解するすぐれた本として、ネット仲間にも薦めました。
しかし違和感も消えません。週刊文春に掲載された鈴木宗男と佐藤優の対談を読みました。来週号にも続きが掲載されるそうですが、今週号を読んでみて、わたしが鈴木宗男に嫌悪感しか感じていないことをあらためて思い知りました。
鈴木は北方領土返還の道すじをつけると唱えて、北方4島へ発電所等のインフラ建設を推進した張本人です。しかし人道的援助として医薬品を送るくらいならともかく、日本国民の税金でインフラ整備までしてやり、しかも担当企業から献金を受け取っているとあっては、国を売って私腹を肥やしていると受け取れないこともありません。
投稿 アキレスの踵 | 2005年11月19日 (土) 12時40分
ロシアが領土問題を抱えているのは日本だけではありません。日本に譲歩すれば他国からも譲歩を迫られます。戦勝国民としてのプライドもあります。11月18日の東京(中日)新聞夕刊にも、ロシア国民の7割は北方領土の返還に反対だというロシアの世論調査の結果が出ていました。
佐藤氏もこの点ではっきり鈴木を批判しているわけではなく、同調しているように思えます。佐藤氏の本がすぐれた時事問題の解説書になっている点は否定しませんが、だからと言って、佐藤氏の主張に全面的に賛成するわけではありません。
投稿 アキレスの踵 | 2005年11月19日 (土) 12時41分
アキレスの踵さん、コメント有難うございます。
私も、佐藤氏は鈴木宗男氏に過剰にコミットし過ぎたと感じています。佐藤氏は「国益にとって鈴木氏が枢要な政治家であったからだ」と言うのでしょうが、鈴木氏の言動に関しては全く看過してしまっている点は、私にもマイナスポイントに映ります。何れにせよ、佐藤氏が何らかの意味で優れた「目利き」であるとは思っていますので、今後の現行にも注目していきたいと思っています。
T.D.
投稿 tropical__dandy | 2005年11月20日 (日) 02時40分
アキレスの踵氏の書き込みはコピー&ペーストのマルチポストですね。
以下のブログにもまったく同じコメントを残しています。
http://tokura.livedoor.biz/archives/25222587.html
投稿 マルチポスト | 2005年11月22日 (火) 21時40分
マルチポストさん、情報有難うございます。
早速リンク先に飛んでみますと…あ、本当ですね。
何れにせよ、有難うございました。
T.D.
投稿 tropical__dandy | 2005年11月22日 (火) 23時08分
佐藤優様 この度は[毎日出版文化賞 特別賞」受賞心よりお祝い申し上げます。
読ませて頂いている内に色々の事がよく分りました。これからも引き続き第3をお願いいたします。
外務省は佐藤さん、宗男さんを捨て本当に惜しい事をしましたね。 此れも官邸(小泉総理)の指示にも少しは関連している様に私は思います。 小泉さんさえ、しっかり居ていればこんな事にはならなかったでしょう。
北方領土も今頃は上手く進んでいた事でしょう。
先日のプーチンさんとの対談でも何の進展も無く本当に取り返しの付かない事となりましたね。
佐藤優さんどうか今後も頑張ってくださいね。
応援しています。
投稿 埼玉ときこ | 2005年11月26日 (土) 15時22分
埼玉ときこさん、コメント有難うございます。
ただ『国家の罠』は大変な労作だと言う評価は変らないものの、鈴木宗男氏に関する評価に関しては、甘きに過ぎるように感じています。猶、冷静な判断が要される著作かと思います。
T.D.
投稿 tropical_dandy | 2005年12月 1日 (木) 02時04分