しまむらに学ぶこと
成果主義の誤謬、と言うエントリーを書かせて頂きましたが、まぁ何事もバランスと言うものが肝要で、どこかに偏り過ぎては上手く行かない、と換言することもできます。そのコメント欄での遣り取りで、「成果主義=短期的成果(業績)を定数化し給与・待遇に反映させる人事考課制度」、これに対して「能力主義=中長期的能力を定性化し給与・待遇に反映させる人事考課制度」と説明させて頂きまして、「日本型年功制」は実は後者、と書かせて頂きました。
ある一人の優れたGKがいたところで、それだけではサッカーにはなりません。他の10人の選手、ベンチスタートの選手、それを支えるスタッフが有効に機能して始めてサッカーらしくなるので、「スターシステムは要らない」と言うのが私の組織論です。元々、米国で成果主義(performance-evidenced pay)と言うのは、個人業績に偏り勝ちだった評価の中にチームの中での機能を評価する要素を採り入れようと言う事で、日本で展開された事態とは180℃異なることにも注意が必要です。
何れにせよ、ボランチならボランチ、FWならFWが、チームの中でどのように機能していたかを評価することなしに、人事考課と言うものは成立しないでしょう。手前味噌も何ですので、私とは何の関わりも無い業種から一つ。しまむらを成功事例として挙げたいと思います。
画に描いたような堅実経営を離職率が高いアパレル産業で成し遂げていることは注目に値します。店長のパート出身者比率の高さ、そもそもパートの勤続年数の長さ、これを見ても公平感のある働き易い組織作りに成功していることが分かります。
企業と言う組織を構成するのは人です。ゆえに、人を短期的な成果ではなく、組織の中で果たした機能によって評価する姿勢には大いに学ぶ点があると思っています。例えば、ジョブ・ローテーション。スペシャリスト志向の高まりとは逆行しているとの指摘もありましょうが、しまむらでは積極的に活用しています。社員に仕事を覚えるモチヴェーションを高めさせることに効果があるのは確かです。
ゼネラリスト志向だと昨今の日本社会では評判が高くはなさそうな人事制度ですが、全体の中での自らの役割を知ると言う意味でも、社員にモチヴェーションを与えつつ、長期的視点で人材を育てて行こうと言う理念が、そこにはあります。
優秀な人材が意欲的に仕事に取り組める仕組みを作れば利益はついてくるもの。近視眼的成果主義が、多くの場合、無残な失敗に終わっていることからも、しまむらに学ぶべき点は大きいと思います。
T.D.
(参考):nikkeibp.jp - 新社長を直撃!より
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