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2005年7月 2日 (土)

溝口健二『近松物語』

日本の映画作家で一人、挙げて下さい?迷う必要はない。答えは当然、小津安二郎監督だからです。

では、日本映画、この一本を挙げて下さい、と訊かれたら?訊かないで下さい・・・と逃げを打つ代わりに一本を挙げるとすれば、私の場合、それは溝口健二監督作品『近松物語』だけでしょう。恐らく、他にはない。

敢えてその悲恋のストーリーライン云々の話は避けますが、まず前半の主な舞台となった大経師の大店の何とも映画的な佇まいに引き込まれてしまいます。溝口は「黒の作家」です。妖しい白と黒の影像に酔いしれることが出来ます。既に観客は溝口の世界に魅せられているのです。邦楽器のリズミカルな響きも待ち受ける悲劇を、控え目に奏でます。

しかし運命は二人を翻弄します。許されざる逃避行は悲恋の狂気へと誘って・・・などとストーリーを説明すると陳腐になってしまい、何とも言葉で伝えることの限界を感じます。

さて、この映画、後半にロングショットを多用します。そしてもっとも悲劇的な一大ロングショットは・・・止めておきましょう。別格の映画体験が待っていることは、私が保証させて頂きます。どうかご覧あれ!

T.D.

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コメント

こんにちわ!
TBありがとうございます。

「近松物語」は、とても大好きな映画です。
あんまり、長谷川一夫好きではないけど、これはOKです。溝口監督のおかげでしょうか。

ちなみに映画監督一人あげるとすると、成瀬巳喜男です。まあ好きな監督ということで。

投稿: cafenoir | 2005年7月 4日 (月) 13時19分

cafenoirさん>
こちらこそ、コメント、有難うございます!
私も成瀬巳喜男は好きな映画作家です。
一本敢えてあげるとなると(一般的には『浮雲』になるのでしょうが・・・もちろん『浮雲』は素晴らしい!)敢えて『歌行燈』と思っています。
何だか天邪鬼なのかもしれません(笑)

今後とも宜しくお願い申し上げます。

T.D.

投稿: tropical_dandy | 2005年7月 4日 (月) 22時22分

私は小津監督の作品も、溝口監督の作品もほとんど観たことがないんですよ。
何かオススメはありますか?

五本木五郎さんのブログで、小津監督作品の「お茶漬けの味」の記事が載っていましたよ。
http://gohonngigo.exblog.jp/

投稿: キングあおぽん | 2005年7月 4日 (月) 22時46分

こちらこそよろしく!

『歌行燈』ですか?
なかなか天邪鬼ですね(笑)
成瀬巳喜男で一番好きなのは、『流れる』。
二番手が『晩菊』。

溝口監督では『祇園囃子』。
監督の肩に力が入ってないので、こっちも呑気に見ていられる。酔った若尾文子が可愛い。

投稿: cafenoir | 2005年7月 5日 (火) 10時32分

tropical_dandy さん、こんにちは。

> 溝口健二監督作品『近松物語』

この作品は観たことがありません。
今度、探してみます(と、調子のいいことをいいながら、『20世紀ノスタルジア』も未鑑賞というありさま・・・)。

> 日本の映画作家で一人、挙げて下さい?

私は黒澤明監督です。定石過ぎて、なかなか口に出せない選択ではありますが、こういうことで嘘をつくわけにもいかないので・・・。

> 日本映画、この一本を挙げて下さい

『七人の侍』です。これもあまりに当たり前すぎですね・・・。(^_^;)

投稿: 喜八 | 2005年7月 5日 (火) 16時48分

皆様、コメント有難うございます。済みません、レスポンス遅れました・・・。

キングあおぱんさん>
五本木五郎さんのブログ早速飛んでみました。『お茶漬けの味』いいですね~本当にお茶漬けが欲しくなります(^^;。そうですね、両監督の作品で初めて観られる方にお薦めと思うのは、小津監督なら『秋刀魚の味』、溝口監督なら表題の『近松物語』がお薦めだと個人的には思っています。ご覧になる機会がありましたら、是非、感想などお聞かせ下さい!

cafenoirさん>
コメント、有難うございます!成瀬作品では・・・『あらくれ』もお気に入りです。やはり天邪鬼ですね(苦笑)。高峰秀子が素晴らしい!

『祇園囃子』の若尾文子の愛らしさ、瑞々しさもいいですね。監督のテンションもいい雰囲気で、私も好きな一本です。

喜八さん>
いえいえ、黒澤監督は私にとってもリスペクトの対象です。『赤ひげ』、それから『一番美しく』がお気に入りです。天邪鬼な私の言うことですので本気になさらず(^^;。『七人の侍』も七人が結集するまでの演出が素晴らしいと思っています。

T.D.

投稿: tropical_dandy | 2005年7月11日 (月) 00時43分

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